読経の響きで目が覚めると、東の空がうっすらと明るみはじめていた。
そうだ、今日は元旦だから初日の出を見なくちゃ…とダウンを着込み、毛布をぐるぐる巻いて外へ。
とはいえ1月1日はこちらでは平日なので、今日も普通にお仕事。
今朝は現地の宝石商と会うことになっていた。
実は私は、自分のプロジェクトのほかに、
途上国の素材などを使っている、あるエシカルジュエリーブランドの
プロボノを3年くらい続けている。
今回エチオピアで、そのジュエリーに使う素材も見つけたいと思っていたところ、
こちらでごくわずかに採れる宝石のことを聞きつけたのだ。
とあるホテルの裏庭に連れていかれて、
そこに停めてある車のトランクをあけると、
大きな宝石の原石がごろごろと。
あまりにも石が大きすぎて輝きが分かりにくいけど、
小さくカットされたアメジストかけらを見ると、きれいな紫。
今朝の空みたい。
ほかにも、タンザナイト、サファイヤが。
私は石の見分けができないので、
カナダ人のジュエリーデザイナーの友人を連れていったのだけど
彼も、石を光に当てながら「なかなか悪くないね」と唸っていた。
ただ、この宝石商は金のガリガリ亡者で
とにかく金をくれ、早くくれ、先にくれ、たくさんくれと
まるで話にならないので、商談には至らず。
せっかくいい石を持ってるのに、こんなんでどうやって商売するんだろう。
エチオピアには残念ながらこういう人がとても多い。
もったいないなあ…。
とりあえず、今日はエチオピアでこんなに美しい石が採れるということがわかった。
もうちょっと調べてみる価値がありそう。