Philosophy 革にまつわるエトセトラ

個性は殺すのではなく、楽しむもの — Shubu-Shubu 開発秘話—

2021年1月27日

人に個性があるように、動物にもいろいろあります。

ヤンチャで喧嘩っぱやいの、怖がりで大人しいの、
食いしん坊なの、食がほそいの、
若いの、年をとったの、
毛がふさふさなの、そうでもないの…

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それらの個性は革にも直接あらわれます。
キズ、しわ、色むら、チスジ、バラなどといわれるものがそれです。

ただ大量生産型のメーカーでは、個性=欠点・不良とみなされ歓迎されないため、それらをしっかりと隠すような加工がほどこされることが多いようです。
個性も隠すかわりに革の良さも殺してしまうような加工です。
メークアップでいうところの厚塗りファンデ状態、というとわかりやすいでしょうか。
さらに、それでも隠しきれない場所は、廃棄されます。

でも、しわやしみってそんなに悪いものなのでしょうか。
くもりひとつないピカピカの革だけが本当に美しいのでしょうか。

私はそうは思いません。

andu ametでは創業以来、クロムなめし、染料仕上げ(アニリン仕上げ)という、エチオピアシープスキンのふんわり柔らかい感触やストレッチ性、強度を最大限に活かせる加工にこだわってきました。 特に染料仕上げは、ナチュラルな仕上げのため、キズやシミなどの個性も面に出てしまう一方、本当にすばらしいエチオピアシープスキンの質感もダイレクトに楽しんでいただける仕上げです。
個性は楽しむものであって、殺すものではないという思いが根底にあり、この仕上げをずっと選んでいます。

ただそんな私たちも実は、本当に目立つ、大きなしわの部分は排除してきました。
もちろん廃棄するということなく、バッグやポーチのボディの部分にではなく、積み重ねて装飾部分に使うなどして、できるだけ有効活用してはきたのですが、ある時、そういう消極的な活用法ではなくて、しわそのものの魅力をもっと楽しめるような製品がつくれないかなと思うようになりました。

きっかけはとても個人的なのですが、昨年の秋に日本に帰国し、本当にひさびさにゆっくりと両親や祖母と会う時間を持てたことでした。

色々な話をしながら、ふと、顔にも手にも、数えきれないくらいのしわがあることに気がつきました。

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一体いつのまに、こんなにたくさんしわができたんだろう。
たくさん笑ったり怒ったりしてくれたから、
この手でたくさんの仕事をしてくれたから、
このしわがあるんだ。
このしわひとつひとつが、嬉しいことや楽しいこと、悲しいことをひととせひととせ積み重ね、乗り越えてきた証なんだな…
見ているうちに心から愛おしく美しく感じられるようになりました。そんなわけで、今回あえて色々なしわの箇所だけをあつめた新製品、Shubu-Shubu(シュブシュブ)コレクションを作ることにしました。

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Shubu-Shubuとは、生産地エチオピアの言葉で”しわしわ”という意味です。
その形状や成り立ちをを想像させるようなかわいらしい音の響きが気に入り、名付けました。

このバッグやポーチをじっと見ていると、しわと一言でいっても本当に多種多様だなと気づかされます。

ひとつの大きな筋のようなしわがはいっているもの、
うっすらと全体的にしわっぽいもの、
まるで模様のような形のもの…。

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「みているうちに想像が広がって、なんだか楽しくなってくる」
「このしわのラインは世界にたったひとつなんだと思ったら、愛おしく思えてきた」
そんなふうに思ってもらえたら、とても嬉しいです。

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