Philosophy

カバのオスとメスの見分け方、おおらかさと幸福感の関係について。

2012年12月4日

「カバのオスとメスはどうやって見分けるか、知ってる?」
エチオピアから香港へ向かう飛行機の中で隣になったおばちゃんに
いきなりそう話しかけられた。
「へ? え、えーと、水中にもぐって、大事なトコを覗く…とか?」おずおず答えると
「そんな答え反則よ!ちゃんと考えて」と手厳しい。
正解は、肌の色。ピンクっぽいとオスで黒っぽうとメスとのことだった。
そういえば、たまにやたらピンクっぽいカバっているが、あれはオスだったのか。
巻き込まれるがまま、ひとつお利口になってしまった。

彼女はザンビア人。ルサカで自らブティックを経営していて、
香港へはこうして買い付けにちょこちょこきているらしい。
大柄で、おしゃべりとファッションが大好きな、見るからにアフリカンママって感じ。
カバの肉は煮るとちょーおいしいとか象もイケルとか
とにかく楽しそうに次から次へと話しかけてくる。

おしゃべりに花が咲くうちに目的地に近づき、CAがarrival cardを配り始めた。
彼女がカードを受け取りながら、そのCAに「ペン貸してちょうだい」と頼むと
彼は舌打ちしながら
「なんでもってないんだよ!俺も使うんだよ。早く返せよ!?ちゃんと返すんだぞ!?」と
完全に上から目線のかなり失礼な態度で嫌々自分のペンを渡した。

その態度に私が憤慨すると
彼女は「maybe he loves this pen so much!」と笑いかけて、
それがすごいチャーミングだった。(ちなみにBICの普通のペン)
返すときにも、そのCAに
「あなたこのペン大好きなんでしょ。
記念に私に頂戴よ。そしたらあなたのこともう一生忘れないわ」と言って、
そしたらずっとピリピリしてたそのCAも
「なんでそんなこと言うんだよ」大笑いして、
その後もちょこちょこ笑顔で冗談をいってくるようになって、
あーこういうウィットは自分にはないなーと思って感心してしまった。

実はそのちょっと前、
別のCAにコップになみなみ接がれたオレンジジュースを洋服に思いっきりこぼされて、
しかもたいして悪びれない彼女の態度に、私は怒りまくっていたばかりだった。

こちらの人々は本当におおらかで、自分が加害者のときも「no problem!」って言い放ち
私をイラッとさせるけど、でも自分が被害者のときも、だいたいのことは気にしない。
お互いがお互いを許し合って、支え合って生きている。

一方の日本は、自分にも相手にも完璧を求めすぎ、
お互い首をしめあっていると感じることがある。
もちろん、だからこそより質の高い製品やサービスが生まれるのだろうけど
こんなに恵まれた環境の中で、こんなに鬱病のひとや自殺者が多いなんて
やっぱりそれは尋常ではない、と思う。
人間なんて、本当は不完全なものなのだ。

彼女の、マシンガントークの合間にこぼれる笑顔をみつめながら、
幸せに生きる、ということの意味を改めて考えてしまった。

ちなみに彼女はキリンとシマウマだけは絶対食べないとのこと。
理由を尋ねると「だって彼らは醜いじゃない」。
その美の基準は、最後までよくわからなかった。

写真 - 2509

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